先の講義で少し触れたが、考古学といっても様々なジャンルがある。
史跡や発掘物、書物などから研究するのが一般的に考えられている考古学だが、その他にもさまざまな物から考える考古学と言うものがある。
今現在地上に残っている史跡などは一部に過ぎず、太古に海に沈んでしまったものもあるはずで、そう考えられれば地球上の7割を占める海にこそ隠された物があるのではと考えるのが海洋考古学。
地震や自然の変化を調査し、太古の環境を推測する環境考古学や地震考古学なんてものもある。
さらには宇宙技術の発展によってもたらされた、宇宙から地表を見る事で地上からは見えない物が発見されることもある。これを宇宙考古学という。ナスカの地上絵などは飛行機によって認識されたし、Google Earthの衛星写真からアトランティス文明の沈んだ跡か?と言われた海底構造物が話題になったりしたな。
今回取り上げるのはこの宇宙考古学ではあるが、もう一歩先に進んでしまった考えを持つ別の宇宙考古学というものがある。
先に触れたナスカの地上絵の存在が大きいのだが、なぜ空から見なければ認識すら出来ない物が作られたのかという疑問から、宇宙人の存在にまで言及し、さらには古代文明を築いたのは宇宙人であるという説まであるのだ。
これらは学会ではほとんどイレギュラー扱いだが、これがなかなか一概に間違いとも言いづらい程の魅力があるわけだな。
先の講義で触れたピラミッドのような、どうやって作られたのかわからない巨大建造物なども、宇宙人が未知の力で作り上げたと言ってしまえば簡単だ。こう言ってしまうと謎の解明をさらに謎の宇宙人に投げてしまった学説としては研究を放棄したかのように聞こえるが、これまたそう簡単には言えない物的証拠が残っている。
物的証拠と言っても現代人の物差しで想像している物がほとんどな訳だが、例えば有名なのが日本から出土した遮光器土偶というもの。これが人間を模して作ったと言うにはあまりに不可解な姿をしている。旧ソ連の宇宙飛行士がその土偶を見て「宇宙服の構造に酷似している」と言ったのだ。他にもトルコにはロケットのような物にまたがった人物を模した彫像が見つかっていたり、メキシコのパレンケ遺跡の石棺の蓋には宇宙船のようなものに乗った人物が描かれている。
もっともこれら全てが宇宙人の証拠と言うのは乱暴な話で、パレンケの棺などは図案を見る角度を変えれば「生命の樹の下に寝転がる王の姿」に見えるとして、こっちの説の方が有力だ。
まぁこのパレンケに関しては言いたい事が山ほどあるのだが、後の講義に取っておく。
パレンケを例にすれば、横から見ると宇宙船を操縦する人に見えるというのは乱暴だとも言えるし、とはいえ縦に見ると生命の樹の下に寝そべる王に見えるというのも、寝てないで座れよ!と言いたくもなる。つまりどちらも現代人の想像でしかない訳だ。
もちろんどちらの説にも、より有力に聞こえるようにもっともな解釈や説が付けられている。遮光器土偶やロケット彫像、他にも数多くの「宇宙人」を思わせるような遺物は、そのほとんどが宇宙とは関係ないとされる説の方が有力で、こいうった「時系列にそぐわない遺物」というか、「学説のつじつまに合わないもの」が「オーパーツ」とまとめてイレギュラー呼ばわりされている訳だ。
まぁーこの、オーパーツに関しても言いたい事が山ほどあったりして、研究所じゃなくてしかるべき場所に持っていかないとその謎は解けないんだよー、なんて言いたくなるのだが、これもまた別の講義で。
とにかく、私自身は「宇宙人」などという陳腐な言葉を使うつもりはないが、地球外生命が関与して世界最古の文明が生まれたのではないかという説にある程度の確証を持っている。持っているというか実際見てきた訳なんだが。物的証拠を見せれば学会などひっくり返ってしまうぐらいのブツがあったんだが、残念ながらその遺跡は私が脱出する時に崩壊させてしまったんでね。
これ以降の講義は、私の一家が体験してきた事、研究してきた事から導きだされた想像の産物をふまえてである事を、改めて言っておく。
ルエミーザ=小杉