ルエミーザ博士の考古学講義 第十三回 「無限回廊」

おうっす。あー忙しいわー。最近大学の外での仕事が多くてなぁ。まぁそのことについては後で話がある。

今回の講義は無限回廊だ。名前の通り無限に続くような回廊だが、もちろん本当に無限なんてことはない。

このフィールドな。巨人霊廟から繋がっているので遺跡のずいぶん浅いところにあるんだが、講義がここまで後半になっていたのはわけがある。

ただ普通に歩いてるだけでは本当に無限に思えるような長い回廊が続いているだけなのだ。無限といっても、どういう仕組みかは知らないが同じ場所をぐるぐる回っているように思える。それで無限回廊というわけだな。

実はというか、もちろんというか、この無限回廊はこれで終わりではない。隠し通路があり、その先に何段階も同じような回廊のような部屋が続いているのだ。

この厳重さ。これは最深部に重要なものが隠されているゆえの構造だ。私も最深部にたどり着くまでに何度も死にそうになったぐらいだ。あたりまえだが侵入者を殺す気まんまんの仕掛けが連なっていた。

では文明様式を見てみようか。この写真を見てくれ。

これは楽に入ることができる第1階層の写真だ。

他のフィールドに比べると全面に壁があって狭苦しい印象がある。その壁には太陽やら月やら、無限を示すマークが描かれている。壁画の損傷具合から見るに、ずいぶん古い。LA-MULANA遺跡の中でも格段に古いように思える。

ということは、前回の双連迷宮の講義で出てきた最古の種族、蛇人間の痕跡でもありそうなものだが、ごらんの通り飾りっ気も少なく殺風景だ。手前のほうに見える壁の壁画は中国文明を感じさせる。中国の文明も今までの講義で出てきていなかったな。ということは第1種族である蛇人間は中国文明のルーツなのだろうか?そういえば中国の最古神にジョカという蛇人間がいるしな。

ところがだ。今度はこっちの写真を見てくれ。

これは第1階層から隠し通路を抜けた第2階層の写真だ。遠くに見えるらせん状の塔、これはミナレットと呼ばれるイスラム圏の遺跡に似ている。他にジグラットのようなピラミッドなどが見える。やはりここも複数の文明の特徴が見られる。

さらに、実はこの第2階層以降も第1階層と同じで全面に壁が広がっているのだ。今見せたこのミナレットや美しい空の色だが、どうやらこれは映像のようだ。プロジェクターかなにかで投影したようなというか、仕組は全くわからなかったがとにかく映像として壁に映し出されているんだ。

これは他のフィールドには見られなかった特徴だ。かつてのLA-MULANA遺跡にあった風景なのだろうか。それとも地上の様子だったのか。


まぁとにかくこの同じ構造の階層が5個も繋がっているのが無限回廊だ。仕掛け自体も大掛かりな物が多く、謎を解くのに手間がかかった。なんというか、始めの方に言った通り奥にある重要な物を守るためか、仕掛けのクセというか、とにかく他にはない特殊なフィールドだ。

おっと、もうこんな時間じゃないか。

授業時間の途中ですまないが今日の講義はこれで終わりだ。インタビューの仕事が入っているのでこれから日本に行かなければならんのだ。

なんと私の冒険の成果を題材にしたゲームが発売されることになったのだ。ゲームの名前は「LA-MULANA」。主人公は私になるそうだ。なのでこの講義は今日が最後だ。

なんだと?仕方ないじゃないか、これ以上喋るとゲームのネタバレになるから止められてるんだ。私のせいじゃない。

いいじゃないか、私のLA-MULANA遺跡に関する研究やレポートは全てこのゲームの中で再現されているらしい。
実際LA-MULANA遺跡は観光できるような遺跡ではないのだから、
諸君はこのゲームを買ってLA-MULANA遺跡の奥深さを味わってくれたまえ。

じゃあな!